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骨盤ケアには「後ろ歩き」がきく!?

そもそも、なぜ骨盤はゆがんでしまうのでしょう?

 じつはこれは、人間が二足歩行を始めた時からの宿命と言われています。
大昔、人間がまだ動物で、四本の脚で歩いていたころ、骨盤は今よりも小さく、腰やお尻の小さな体つきでした。その代わりに、胸骨(肋骨)で体の中にある内蔵を支えていたのです。下半身に比べ上半身が発達していて、太い腕を使って歩いたり木にぶら下がったりして生活していました。人間の祖先であるお猿さんの体つきを想像してください。胸が大きく発達し、比較して腰回りはずいぶんと小さいですよね。

 人間は、猿から人間に進化する過程で、四つん這いの姿勢から体を起こすことで、腰…骨盤を体の中心へと移動させました。同時に、今まで肋骨の内側で支えていた内蔵を、骨盤の上に置く形で支えるように体つきを変化させました。それにより、頭を今までよりも大きく進化させることができるようになり、脳が発達し、人類独特の知恵を持つことができるようになりました。

 しかし代わりに、腰には内蔵を支える役目、上半身と下半身をつなぐ役目、体を支える役目、脚を動かす役目、さらに女性の場合はここで赤ちゃんを妊娠する役目…と、大きなかつ多岐にわたる負荷をかけることとなってしまったわけです。これだけ複雑な動きをこなすとなると、オーバーワークであることは想像できると思います。

 本来骨盤はこのオーバーワークに耐えられるよう、さまざまな形に変形しながら滑らかに稼働するようになっています。関節と筋肉がパズルのように組み合わさってできているため、複雑な動きがこなせるのです。

 しかし人によって、立ち仕事が多い、歩くことが多い、デスクワークなど、それぞれの生活習慣で長時間決まった動きや同じポーズをとってしまいがちですよね。すると、骨盤にも癖がついてしまい、その形でゆがんでしまい、癖がついた形以外に動かしにくくなってしまうのです。複雑でフレキシブルな変化のできる部位だからこそゆがみやすい…なんとも皮肉な感じがしますね。

 骨盤のゆがみを直す、オススメの方法のひとつに「後ろ歩き」があります。人間の体は、基本的に前進するように作られているため、日常生活の中で、後ろに進むことはほとんどありません。そのため、意識的に後ろ歩きを行うことで、骨盤まわりの普段使われていない骨や筋肉を稼働させることができ、骨盤のエクササイズになるというわけです。手軽な骨盤ケアとして、ぜひやってみてください。ただし、言うまでもありませんが、後ろにはくれぐれも気をつけて、安全な場所で行って下さいね!